シンガポール知財ブログ

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特許査定を受ける条件

30. (1)4項に加えて、登録官は以下の条件を満たすとき、出願を特許査定する。 (a)所定の期間または延長期間より前に2項の条件が満たされる。 (b)3項の条件が満たされる。 (2)(1)(a)の条件は、 (a)全ての方式的要件が満たされる。 (b)登録官が以下の書類を受…

Singapore Patents Act s29

29. (1) 特許の出願が方式的要件を全て満たしている場合、登録官は出願人に通知を送る。 (2) 出願人は、以下の段落の所定の期間内に、以下の段落のそれぞれの要件を満たさなければならない。 (a)出願がPCT国内段階移行ではない場合、調査のための所定のフォ…

Singapore Patents Act s25

今日は出願手続きに関する特許法25条(Singapore Patents Act s25)を読んでみた。これは[UK Patents 1977, s. 14]が元になっている。 25. (1)特許出願は、 (a) 所定のフォームを用いて、所定の態様で特許庁に提出されなければならない。 (b) 所定の費用ととも…

シンガポール特許の新規性

Singapore Patents Act Section 14を読んでみた。これは、[UK Patents 1977, s. 2]から持ってきたものである。大雑把に意訳すると 14. (1) 発明は、従来技術の一部でない場合、新規性を持つ。 (2) 発明における従来技術とは、発明の優先日よりも前の時点にお…

QE2012 Paper B 答えあわせ

過去問を解いてみた。補正書、意見書、お客さんへの手紙。 QE2012 paper B answer from Yosuke Tanaka 過去問はこちら 1. Claim Amendments(35点) 1.1 限定した請求項を用意する これはできた 1.2 実施例3を除外した補正を用意する これもできた 1.3 請求項1…

明細書が750ページあったらどうするか

お客さんが8つくらい特許出願をくっつけて国際出願し、それを元にシンガポールに出したいと言ってきたのは約1年前のこと。PCTの公報で明細書が750ページくらいある。シンガポールへの国内段階移行は、元が英語の場合Formをいくつか出せばいいので、出願自体…

拒絶理由通知応答のスライドを作ってみた

社内で最も拒絶理由通知応答をやっているから社内向けトレーニングで説明してくれと言われ、2ヶ月後なのだが既に資料ができてしまったのでここで公開しておく。機密事項は何も入ってないから問題ないだろう。アシスタントの人でもわかるように基本的なとこ…

Informal Session

過去問解くのに手間取ってしばし放置してしまった。 今日は会社にInformal Sessionのお知らせが来てたのでその紹介。 http://www.ipos.gov.sg/ProgrammesandEvents/IPforProfessionals/TypesofIPProfessionals/PatentAgentsInformation/InformalSession.aspx…

シラバスを読む

受けようと思っているのはPaper B - Amendment of a Patent Specification 4時間の試験で、配点は - 拒絶理由通知への応答(引例分析及び反論含む)35点 - 請求項補正 35点 - 顧客への手紙 30点 の計100点で半分取れば合格。やることは - 顧客の指示を読み込…

試験環境

今年からノートPCにより試験を行うそうだ。過去問を解く際に、実際の試験環境と似たような状態にしておきたいと思ったので、募集要項を読みながらどんな試験環境を想定しているのか想像してみた。 each candidate will be supplied with: (a) A single lapto…

申込書に下書きしてみた

去年は、ギリギリになって申し込もうかと思ったが、いろいろと思うところがあって(主に申し込みが面倒になって)止めたので、今年はもうちょっと計画的に。とりあえず印刷して一通り下書きしてみた。 さてこの試験、結果が出るまでに半年かかるのだが、結果…

弁理士になるための要件

シンガポールの弁理士関連情報は特許庁の下記リンクに大体出ている。 http://www.ipos.gov.sg/ProgrammesandEvents/IPforProfessionals/TypesofIPProfessionals/PatentAgentsInformation.aspx シンガポールに来て3年経って、やっぱりこの資格を持っていた方…

法改正のスライドをつくってみた

slideshareでアカウントを取ってスライドを公開してみた。 Change in Singapore patent law from Yosuke Tanaka

シンガポール特許法改正 続報

昨年Singapore Patents Act(特許法)が変わって、今年Singapore Patents Rules(特許規則)が変わるということになっている。先日IPOSの説明会に参加したところ第3四半期か第4四半期に導入されるそうだ。日程が決まったらその2ヶ月前には知らせると言ってい…

拒絶理由通知に応答する

審査請求をした後、IPOSから代理人宛に通知が届く。IPOSが他国の特許庁に審査を依頼しましたよ、というのを通知するためにそのCCのような手紙が来るわけだ。これは特に応答しなくていい。 他国の特許庁というのは、今だとデンマーク、オーストリア、ハンガリ…

シンガポールの審査請求の種類

シンガポール特許出願における審査請求には、主に3種類ある。 -国際調査報告書に基づく審査請求(Patents Form 12) -他国の調査報告書に基づく審査請求(Patents Form 12) -調査及び審査の請求(Patents Form 11) 最初の2つは安く、最後のは調査の分だけ高くな…

シンガポールの特許法改正について

先日法案が議会を通ったわけだけど、その詳細について以下の記事がわかりやすかった。 http://www.ip-watch.org/2012/05/17/singapore-builds-patent-capacity-ahead-of-new-system/ 主な改正点は2点。 ・self assessmentからpositive grantに変更する。 ・…

IPOSに行ってきた

Intellectual Property Office of Singaporeの頭文字を取ってIPOS。シンガポールの特許庁である。場所はサークルラインのBras Basah駅ほぼ直結のPlaza by the Parkのビルにある。もう2週間くらい前になるか。授業が2回くらいIPOSで行われたので初めてじゃな…

セキュリティクリアランス

今2件抱えていて、少し慣れてきたんで書こうと思う。セキュリティクリアランス(S34)のこと。 シンガポールの住人が発明をしたときは、最初にシンガポールに出願する必要がある。もしも他の国に最初に出願したいのであれば、事前に書面による許可を求めない…

IPRPを利用するとは

ちょくちょく勘違いしているお客さんがいるので、一応これも書いておこう。 PCT経由で30ヶ月以内にシンガポールに出願した後の話。出願しましたよという報告書に、今後のスケジュールみたいなことを書いている。選択肢が3つありますので、そのどれにするか選…

シンガポールにPCT出願

基本的にパリルートは2国間でPCTは多国間と考えればいいかもしれない。日本に出願して、その後国際出願をして、それから出したい国に国内段階移行をする感じ。1ステップ増えるけど、多くの国に出願するときはいろいろと手間が省ける。 日本に出願して、その…

シンガポールにパリルート出願

パリルートというのはパリ条約を使うということ。conventional filingと呼ぶ。例えば日本とシンガポールで特許を取得したいと思ったときに、何も制度がなかったとしたら、バラバラに出すと最初に出願した国のが公開されて他の国で既に新しくないと言われて拒…

シンガポールで特許出願

無事Graduate Certificate in IP lawという試験全てに受かって、1ヶ月前より特許事務所でフルタイムの仕事をしている。プロセスにようやく慣れてきたので少しずつ書いていくことにしよう。 最初のステップは、出願。お客さんからメールなりFAXなりが届いてこ…

Tay Long Kee v. Tan Beng Huwah [2000] 1 SLR 786

シンガポールの判例 原告:「hayrer」というバックパックの製造販売をしてる会社 被告:「devico」というバックパックを販売した。 原告の主張:被告のバーコードの数値が似てるとか、ロゴが似てるとか、色が似てるとか言ってる 著作権に関して:被告が原告…

Exxon v. Exxon Insurance Consultants [1982] Ch. 119

英国の判例 原告:石油で有名なエクソン 被告:エクソンの名前を使って会社を始めた 原告が一生懸命考えた名前「Exxon」をパクるとはけしからん、著作権の侵害だと主張。もちろんpassing offとしても訴えてて、そっちの決着は付いているけど著作権かどうかと…

Norowzian v. Arks [2000] F.S.R. 363

英国の判例 原告 音楽に合わせて人がダンスするショートフィルムを作った。実際の連続した動きとは違って、人の位置が突然変化するのが特徴。「jump cutting」という編集技法が使われているとのこと。(このショートフィルムが見つからなかった) 被告 ギネ…

Amp v. Utilux [1971] F.S.R. 572

英国の判例 原告:洗濯機に使う電極端子を作って意匠登録 被告:電極端子のデザインをパクった 原告の主張:機能はデザイナーが形状を選ぶ1つの理由に過ぎず、機能に影響させずに別の形状にすることも可能。だから意匠権は認められるべきであり、パクリは許…

Apple Computer Incorporated v Design Registry [2002] E.C.D.R. 19

英国の判例 事実関係: アップルが「コンピュータディスプレイのUI一式」みたいな意匠を取ろうとした。 UIは意匠登録できる物品ではないし、ソフトウェアを使ってデザインをコンピュータスクリーン上に表示させることは、デザインが産業プロセスに使われるこ…

Re Ford Motor Co. Ltd [1995] RPC 167

英国の判例 事実関係: フォードが車の様々なパーツを意匠登録出願。全部拒絶される。 車のパーツなんだから互換性を確保したら誰が作っても同じになるだろ。 そんなもんに独占権をやるわけにはいかない、という理由。 フォードが不服を申し立てる。 意匠法…

Creative Technology v. Aztech [1997] 1 SLR 621

シンガポールの判例 原告:サウンドブラスターで有名なサウンドカードメーカー 被告:競合のサウンドカードメーカー 事実関係:被告が原告のサウンドカードをコピーして売った 論点1:British Leylandのロジックが使えるか 論点2:デバイスドライバのソー…