シンガポール知財ブログ

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シンガポールにパリルート出願

パリルートというのはパリ条約を使うということ。conventional filingと呼ぶ。例えば日本とシンガポールで特許を取得したいと思ったときに、何も制度がなかったとしたら、バラバラに出すと最初に出願した国のが公開されて他の国で既に新しくないと言われて拒絶されてしまうかもしれない。だからといって書類を揃えて同時に出すとか厳しい。そんなわけで、最初の国に出した日から12ヶ月以内なら他の国にも出願できるよというのがパリルート。最初の国に出した日を優先日と呼び、その優先日がいろんな基準になる。

日本で出願して、それから12ヶ月以内にパリルートでシンガポールに出願した場合、1ヶ月くらいで方式審査の結果が出て、優先日から21ヶ月以内に審査請求をして、拒絶理由通知みたいな奴(written opinion)に応答して、何らかの審査結果を受け取って、42ヶ月以内にお金を払えば特許取得。ここで驚くべき謎仕様は審査結果に関わらず特許が取れてしまうところ。審査の結果、新しくないよとか自明だよとか言われても、特許が取れてしまうわけだ。そんな国他に知らない。まあそんな特許を取ったところでそのままではあっさり裁判所に無効にされるけど。

もう一ついまだに慣れないのは、42ヶ月ってfixされてるとこ。日本の審査だと一応目安はあってもそんなかっちり何ヶ月だからと言って物事が決まっていたりしないので、なんか変な感じ。審査が長引いたときはリスケジュールされるけど、基本的に42ヶ月。一応42ヶ月を60ヶ月に延長できるけど、convention filingで延長するとかなり費用がかかるので、延長するくらいなら分割、再出願の方が安く済む。