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拒絶理由通知に応答する

審査請求をした後、IPOSから代理人宛に通知が届く。IPOSが他国の特許庁に審査を依頼しましたよ、というのを通知するためにそのCCのような手紙が来るわけだ。これは特に応答しなくていい。

他国の特許庁というのは、今だとデンマーク、オーストリア、ハンガリーの3ヶ国。それらの国で審査が一段落すると、大体審査請求から1年後なのだが、IPOS経由でWritten Opinionなるものを受け取る。これは日本で言うところの拒絶理由通知に相当するものと考えていい。

大体月3、4件拒絶理由通知を受け取りながら応答書類を準備している感覚として、一番厳しいのはオーストリア。デンマークは割と普通。ハンガリーはけっこう緩め。

5ヶ月以内に応答せよというわけで、お客さんに拒絶理由通知を送って、応答書類の草稿を送って、許可が下りたら提出という感じである。所内に電気系の人が居ないし、意見書書ける人もいないので、前の会社でやってことと過去の応答を組み合わせて好き勝手に書いている。今のメンターは誰かって言われたら、間違いなくお客さんだ。

日本のきつい審査に慣れているからか、シンガポールに来てからの勝率はなかなか良い。イギリスと同様に、包袋禁反言とか気にしなくていいので好き勝手に書いている。いろいろと流儀があるんだろうけど、英語だと特にだらだら書くのも面倒なので、いつも1ページか2ページ。まあ読む方も面倒だろうし、補正なしで特許査定になるような反論を準備できればいいんじゃないのかなと思う。

そんなわけで1度目の応答はだいたい補正なしで頑張って反論してる。すると、近頃ちょくちょく2度目の拒絶理由通知を受け取る。こちらの応答期限も通知から5ヶ月だ。ここでちょっと無茶だろうという請求項を限定して応答し、特許査定を得る。

やっぱりこういう技術と法律が絡んだところをやらないと、特許の仕事をしていても楽しくない。というかきっとすぐ飽きる。事務仕事だけするなら専門性とか要らないわけで、今たまたまこういう専門性を活かした仕事もできているのは、非常にありがたいことだ。