QE2012 Paper B 答えあわせ
過去問を解いてみた。補正書、意見書、お客さんへの手紙。
過去問はこちら
1. Claim Amendments(35点)
1.1 限定した請求項を用意する
これはできた
1.2 実施例3を除外した補正を用意する
これもできた
1.3 請求項1 - 実施例1と2の特徴をカバーしつつ、進歩性と単一性を持つ請求項にする。ノズルが1つで、容器内に区切りがあると限定するが、ノズル内を壁で分ける必要はない。そうしなくてもApplicant Admitted Prior Artとは区別できるから。
1.3.1 請求項に新規性がなければ0点
1.3.2 実施例1のみカバーする請求項なら1.3では0点。
1.3.3 不要な限定や必要事項が抜けてたら減点。ノズル内の区切り、壁やチャネル、一体型のボディとかが入ってるのは減点対象。各チャンバが単一のノズルにつながってないのも減点。
1.3.4 補正した請求項1が全ての請求項をカバーする場合でも、従来技術に対して新規性があれば点数がもらえる。
1.3.5 補正した請求項1が1つの実施例だけカバーしていても一応点数をやる。
これも一応ちゃんとできている気がする。特に減点対象に該当するものもない。
1.4 "divided hinged cap"という従属項を用意する
1.4.1 サポート要件違反になったら0点。必要以上に限定したら0-3点。
これはできた。明細書からのコピペなので、もうちょっとシンプルに書き換えられそうだな。
1.5 "upper"と"lower"を"inner"と"outer"にする
これは補正しないと行けないと思ったけど、どう変えればいいか解らなかった。one endとthe other endにしたけど、不明確だな。
1.6 "compartments above each other"と"compartments side-by-side"を明確にする
これやってない。
1問目感想
サポート要件違反もしてないし、単一性もあるので25点/35点くらいもらえそう。請求項1ばかり考えていて、従属請求項に関する補正がおろそかになってしまう。そういえば普段の仕事でもそうである。自分の弱点に気づけて良かった
2. Response(35点)
2.1 補正した請求項1のサポート
2.1.1 文章によるサポートを示す
2.1.2 限定するものではないと強調
2.1.3 減点対象となる補正を行なった場合でも点数は出る
ノズルが1つなんて図より明らかとやってしまったが、文章のサポートを提示すべきだったか。ノズルが複数あるものを除外する限定なので実際に限定してるんだけど、限定するものではないって定型文を覚えて次から含めるようにしよう。
2.2 補正した請求項の新規性
2.2.1 実施例1のみをカバーするのは0点
2.2.2 減点対象となる補正を行なった場合でも点数は出る
これはできた
2.3 補正した請求項の進歩性
2.3.1 自明な設計変更に過ぎないという拒絶理由に反論する必要がある。またAAPAでは"in fluid communication"において区切りがないと反論すべし。
2.3.2 実施例1のみをカバーするのは0点
2.3.3 減点対象となる補正を行なった場合でも点数は出る
これもきちんと反論できた。
2.4 "upper"と"lower"に対して不明確と言われたのを補正する
2.4.1 文章によるサポート
2.4.2 なぜ"inner"と"outer"だと明確なのか説明する
いつも補正しましたclearですとしか書かないけど、なんで明確なのかっていう説明も一行くらい入れた方がいいってことか。これはできてない。
2.5 新たな/補正した従属請求項のサポート
2.5.1 "above"と"side-by-side"についての補正に関して
2.5.1.1 文章によるサポート
2.5.1.2 チューブのノズルだから液を出す向きは明らかとか説明する
これ自体気づいてなかった。きちんと問題文を読もう。
2.5.2 別個のヒンジのキャップに関するサポート
2.5.2.1 文章によるサポート
2.5.2.2 単一性
サポートはしたけど、単一性は書いてない。請求項1の従属項なんだからよくね?って思ってしまったけど、書いた方が良さそうだ。
2問目感想
新規性、進歩性はちゃんとカバーできてると思うが、それ以外でけっこう抜けてる。20点/35点くらいもらえるのかな。
3. Letter to Client(30点)
3.1 AAPAについて説明する
これはできた
3.2 市場に出てなくてもD1に対処しなければならないことを説明する
これもできた
3.3 なぜ請求項1に特許性がないのかを説明する
これは明確にできてない。なぜこのままではいけないのか、なぜ補正が必要なのかを書かないとダメだな。
3.4 特許性と販売戦略の観点から、実施例3を外すことを推奨する
これもなんとなく自明を思ってしまった。ちゃんと書かないとダメだな。
3.5 補正された請求項1がC2に対して特許性があると説明する
C2を無視してはいけないと書いたけど、特に説明はしてないな
3.6 実施例1と実施例2を別々の独立請求項にしない理由(単一性やより広い権利範囲)を説明する
やっぱりDraft見せたらそれでいいやという気分になって全然説明できてない
3.7 "above"と"side-by-side"に関する説明
不明確とは言われてないけど、向きが違うといって権利行使から逃れようとするのを防ぐために対処する必要があるんだとか。全然考慮してなかった。
3.8 別個のヒンジキャップについての説明
一応含めたけど、サポート要件うんぬんかんぬんでこれ以上広げられないなんてことは全然書いてない。
3.9 なぜ独立請求項にしないのかという説明
単一性については全然触れなかったのが反省点。分割出願の可能性などについてもアドバイスする必要があるとは知らなかった。
3.10 クライアントが見つけた先行技術に対する対処
提出する必要はないけれども、従来技術だし、section80(f)について簡単に説明すべきとのこと。最低限の説明をしたけど、それ以上は書いてない。
3問目の感想
減点対象のものは含んでないので12点/30点くらいもらえそう。なんというかこれ全部カバーするくらい長い手紙をお客さんに書くのってどうなんだろうと思ってしまった。実際のところそんな長い手紙読みたくないんじゃねって思ってしまう。補正書と意見書に関しては実務と同様にやれば良さそうだけど、お客さんへの手紙に関しては試験は試験として対策した方がいいのかもしれない。
講評
- 新規性のない請求項1を書いた人がいる
- 実施例1と実施例2を一つの請求項で書いた人はほとんどいない
- 実施例3を外すのはだいたいできてる
- 単一のノズルという限定もだいたいできてる
- 応答の形式はだいたい問題なし
- お客さんへの手紙がいまいち、タイムマネージメントをちゃんとやれ
- 新規事項の追加や単一性違反などが見られる
- お客さんの指示全部に対処せずに、点数を落としていてもったいない。手紙はちゃんと読め
- 単一ノズルはできてても、ボディ内の区切りはそうでもない
- AAPAに対して新規性を出せてない者がいる
- とりわけ補正の根拠は正確にするべし。
- 新規性、進歩性の主張はだいたいできてるが、曖昧で一般的すぎるのも見受けられる
- 単一性のない補正をして点数を失う者がいる。それは不要な分割出願をすることになって、コストがかかるので好ましくない
講評に対する感想
タイムマネージメントをして、お客さんへの手紙をきちんと書くというのが自分の課題だろうな。全体的にやってることは正しいけど、圧倒的に説明が足りてない気がした。発明を理解して、従来技術との違いを見いだせて、それをちゃんと説明できたのに、57点/100点というのはちょっと問題だ。50点で受かるらしいけど、もっとミスが出たらすぐ下回ってしまう。しょうもないところで点数を落としすぎているので、そのあたりをきちんと拾っていく必要がありそうだ。
とりあえず今度の説明会では、お客さんへの手紙の長さについて聞いてみよう。最低限必要なことをカバーしているなら短い方がいいんじゃないのと。