シンガポール知財ブログ

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特許実務

シンガポールの特許審査ハイウェイプログラム

昨年8月に転職して以来、つい最近まで内外案件ばかりで外内案件がすっかりおろそかになってしまった。明細書を書いたり、USのOA応答をしたりすることには慣れてきたが、やっていないとシンガポールの細かい手続きの記憶が薄らいでいく。今月末・来月末に辞め…

シンガポールの特許審査官

前回こんなことを書いた。 現在シンガポール国内の審査官は40人体制だが、2020年までに審査官を200人に増やし、近いうちに全件シンガポールで審査する計画である。来週仕事でIPOSの人に会うので、その辺を少し聞いてみよう。 先週その話を聞いてきたのでここ…

シンガポール、WIPOによりPCTの国際機関に指定

試験も終わり、たまたま言及されたのでこの話題。 <a href="http://gostep.hatenablog.com/entry/2014/10/31/231646" data-mce-href="http://gostep.hatenablog.com/entry/2014/10/31/231646">東南アジアが国際出願の審査を行う? - gostep's blog</a> シンガポールが自前の特許庁で審査を始めるようになったのは今年(2014年)2月14日の法改正後です。それまでは自己査定制度※をとっていて、自国…

自己査定制度とは何だったのか

自己査定制度(self assessment system)とは、出願が特許され得るものかどうかは出願人自身が判断するという制度。でも無審査だったわけではなく、どこかで審査されていることが要求されていた。 自己査定制度ですら特許されないもの 公序良俗違反(最初の…

新システム始動

今日の朝8時半からIPOSの新しいシステムIP2SGが動き出した。 http://www.ip2.sg 特許の出願のやり方と、特許の検索のやり方が変わった。出願番号のフォーマットも変わった。出願番号が新法と旧法で違うと、ぱっと見てどっちに対応するかわかりやすいってのは…

シンガポール審査基準2014

今日(2月14日)から施行された改正特許法・特許規則。といってもまだ新しいシステムが動いていないので、特に新しい動きはない。物好きは紙出願をしているかもしれないが、基本的に19日のシステム開始からスタートだろう。改正を含んだ条文は既に更新されて…

シンガポールの特許審査の現状

シンガポールでは特許審査を他国の審査官に外注しているということが知られている。オーストリア、デンマーク、ハンガリーの3ヶ国に審査官がシンガポールの法律、審査基準に沿って審査を行っている。その後シンガポール知的財産庁(IPOS)は、自国で審査を始…

特許規則改正の日程が延期

1月11日を予定していたのが、2月14日に延期するというメールが今日来た。新システムの導入も2月19日からだとか。そういうわけでしばらく現在のままで特に変更はない。 今回の改正でようやく変わるのは、対応外国出願の定義。これまで同じ出願の優先権主張を…

特許規則改正と新システム

特許規則改正の施行日が決まった。2014年1月11日。この日以降にシンガポールに入ってきたものには新法が適用される。PCTの場合は国内段階移行日がこの日以降のもの。この日以降に分割出願されるものも新法が適用される。 でも実際には、新システムを使わない…

VETを出し忘れたらどうするか

PCT出願が非英語で出されている場合、優先日から32ヶ月以内にVerification of English Translation(VET)なる翻訳者がサインした書類を提出しなければならない。普段は、お客さんに催促して送ってもらうわけだけれども、一件やってしまった案件があってその顛…

IPOSとSIPOのPPH

東南アジアではどこの国でもだいたい先進国の審査結果を認めてくれるので、PPHとかASPECとか言って騒いでいる人は、まあ無知というか、実務を知らんのだろうなあと思って冷ややかに見ている。 でもこのIPOSとSIPOのPPHはちょっと話が違う。 http://www.ipos.…

明細書が750ページあったらどうするか

お客さんが8つくらい特許出願をくっつけて国際出願し、それを元にシンガポールに出したいと言ってきたのは約1年前のこと。PCTの公報で明細書が750ページくらいある。シンガポールへの国内段階移行は、元が英語の場合Formをいくつか出せばいいので、出願自体…

拒絶理由通知応答のスライドを作ってみた

社内で最も拒絶理由通知応答をやっているから社内向けトレーニングで説明してくれと言われ、2ヶ月後なのだが既に資料ができてしまったのでここで公開しておく。機密事項は何も入ってないから問題ないだろう。アシスタントの人でもわかるように基本的なとこ…

法改正のスライドをつくってみた

slideshareでアカウントを取ってスライドを公開してみた。 Change in Singapore patent law from Yosuke Tanaka

シンガポール特許法改正 続報

昨年Singapore Patents Act(特許法)が変わって、今年Singapore Patents Rules(特許規則)が変わるということになっている。先日IPOSの説明会に参加したところ第3四半期か第4四半期に導入されるそうだ。日程が決まったらその2ヶ月前には知らせると言ってい…

拒絶理由通知に応答する

審査請求をした後、IPOSから代理人宛に通知が届く。IPOSが他国の特許庁に審査を依頼しましたよ、というのを通知するためにそのCCのような手紙が来るわけだ。これは特に応答しなくていい。 他国の特許庁というのは、今だとデンマーク、オーストリア、ハンガリ…

シンガポールの審査請求の種類

シンガポール特許出願における審査請求には、主に3種類ある。 -国際調査報告書に基づく審査請求(Patents Form 12) -他国の調査報告書に基づく審査請求(Patents Form 12) -調査及び審査の請求(Patents Form 11) 最初の2つは安く、最後のは調査の分だけ高くな…

シンガポールの特許法改正について

先日法案が議会を通ったわけだけど、その詳細について以下の記事がわかりやすかった。 http://www.ip-watch.org/2012/05/17/singapore-builds-patent-capacity-ahead-of-new-system/ 主な改正点は2点。 ・self assessmentからpositive grantに変更する。 ・…

IPOSに行ってきた

Intellectual Property Office of Singaporeの頭文字を取ってIPOS。シンガポールの特許庁である。場所はサークルラインのBras Basah駅ほぼ直結のPlaza by the Parkのビルにある。もう2週間くらい前になるか。授業が2回くらいIPOSで行われたので初めてじゃな…

セキュリティクリアランス

今2件抱えていて、少し慣れてきたんで書こうと思う。セキュリティクリアランス(S34)のこと。 シンガポールの住人が発明をしたときは、最初にシンガポールに出願する必要がある。もしも他の国に最初に出願したいのであれば、事前に書面による許可を求めない…

IPRPを利用するとは

ちょくちょく勘違いしているお客さんがいるので、一応これも書いておこう。 PCT経由で30ヶ月以内にシンガポールに出願した後の話。出願しましたよという報告書に、今後のスケジュールみたいなことを書いている。選択肢が3つありますので、そのどれにするか選…

シンガポールにPCT出願

基本的にパリルートは2国間でPCTは多国間と考えればいいかもしれない。日本に出願して、その後国際出願をして、それから出したい国に国内段階移行をする感じ。1ステップ増えるけど、多くの国に出願するときはいろいろと手間が省ける。 日本に出願して、その…

シンガポールにパリルート出願

パリルートというのはパリ条約を使うということ。conventional filingと呼ぶ。例えば日本とシンガポールで特許を取得したいと思ったときに、何も制度がなかったとしたら、バラバラに出すと最初に出願した国のが公開されて他の国で既に新しくないと言われて拒…

シンガポールで特許出願

無事Graduate Certificate in IP lawという試験全てに受かって、1ヶ月前より特許事務所でフルタイムの仕事をしている。プロセスにようやく慣れてきたので少しずつ書いていくことにしよう。 最初のステップは、出願。お客さんからメールなりFAXなりが届いてこ…