シンガポール知財ブログ

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試験対策その3(転職)

試験対策のためというのもあるが、主に自分の将来のキャリアのことを考えて転職した。

前の事務所は特許・商標の出願と商標の訴訟をしているところだったが、特許のわかる弁理士が一人も居なかった。上司は商標の弁護士で弁理士登録もしているので代理人にはなれるが、中身は一切わからないので、いつも特許チームの同僚と一緒に頑張って調べながら日々仕事をこなしていた。中間処理の応答書面を書いても、お客さんに送る前にチェックしてくれる人も居ない。気がつけば自分が教えざるをえない立場になっていて、特許業務経験豊富な弁理士と一緒に仕事がしたいと強く思うようになった。

他国で特許になったものを方式的にチェックするだけで東南アジア各国で特許にするというのも一つのやり方だが、今後もそうなんだろうかという気持ちもある。それに期限管理や方式チェックばかりで、明細書をじっくり読む機会が減っていたことに対して危機感があった。そもそも期限管理や方式チェックばかりでは全然試験に受かる気がしなかったし、これ以上この事務所に居ても自分のキャリアにとってプラスにならないと思った。

そんなわけで転職先を探すわけだが、単純にこの2つを考えた。

  • 自分が欲しいものを提供してくれる事務所
  • 事務所が欲しいものを自分が提供できる

自分が欲しいものはまともなトレーニング。自分が提供できるのは、非常に心苦しいが日本語なんだろう。まだまだ英語が不十分な自分は、使えるものは全部使わないと厳しい状況にあるので、日本カードに頼ることが最も有効だろう。

トレーニングを提供してくれる事務所をどう見つけるか。所属弁理士の数でわかる気がした。2002年以降に試験に受かった人の数(N)が多ければ、その事務所に所属しながら弁理士試験に受かった人が少なからずいるわけで、なんらかのトレーニング効果が期待で切る。

日本語がわかる人を欲しがっている事務所をどう見つけるか。これはシンガポールでの出願代理件数からわかる気がした。案件をたくさん持っている事務所は、日本からの案件もたくさんあって、日本の顧客もそこそこいるだろう。日本とシンガポールで特許実務経験があって、GCIPコースも終えている自分はそこそこ評価されるだろう。なんてことを考えた。

行くならこの辺の事務所かなとなんとなく思っていた事務所が、電機・機械系の弁理士見習いを募集していたので履歴書を送った。翌日面接の案内が来て、翌週面接に行ったら是非来て欲しいと言われて、こちらとしても申し分ない条件だったのでサインして先月半ばから新しい職場で働いている。

この一ヶ月でやったのは、特許有効性判断1件、拒絶理由通知応答3件、明細書作成3件。経験豊富な特許弁護士がきちんと自分のドラフトをきちんとレビューしてくれるのが非常にありがたい。事務所としては早く一人前になって戦力として働いて欲しいわけで、こちらとしてもきちんと結果を出して期待に応えていきたいところだ。

そんなわけで今年は考えられる限りの手を打った。あとは1ヶ月弱丁寧に対策するのみである。